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第何弾まであるかわからないコメ兵藤原さんとの対談の第二弾:「藤原さん、人口減少と富裕層にどう対応します?」

*第一弾を見てない方はこちらからご覧ください。

どんどんお金がなくなる日本人

菅原:日本がこれから、僕はけっこう危機的になるような気がしていて。少なくとも、そう思っておいたほうがいいなと思っています。人は減るし、土地は高くなりそうだし。労働賃金も上がっていくし。けっこう危険だと思うんですよね。
一番最初に影響が出るのは、いわゆる小売で、スーパーとかコンビニとか、ああいうビジネスだと思うんですよ。スーパーのほうが近いかな。薄利多売で、利益率が低いところって、人口が10%も減少して、土地代が上がって、人件費が上がったら、すぐ赤字になっちゃうじゃないですか。
そのへんはどんなふうに考えてます?

藤原:最近ツイッターでちょっとバズったと思うんだけど。
「消費税が上がったんだけど、所得税もっと上がってるじゃん」みたいな話。それそのまんまで。

藤原:この資料ちょっと見てほしいのですけど

菅原:会社のなかで、ポジションの高い人でも、所得が減っている。

藤原:2002年800万円の年収で、手取りが660万円ですね。それが2015年には手取りで600万円まで減っていてます。
ざっくり10パーセント程度減っているんですね。

菅原:記事から感じる分にはおそらく今もっと減ってますよね。

藤原:600万円切っているかもしれないですね。
たとえばロレックスのデイトナの中古価格は2013年で95万円だったんですよ。で、今は210万円になっています。

菅原:2019年で?
高!でもなっているか。

藤原:これ何かというと、減った手取り60万円って、時計1本分くらいの値段です。年収800万の人って、時計1本買えなくなっているんですよ。

菅原:そうですよね。まあ、テレビだって買えないですよ。
デイトナは時計の最高峰だから、100万円くらい当時からしていてもよかったし、いつか、の憧れだから、別に買えなくてもいいじゃないですか。でももともとあったサブマリーナーとか、エクスプローラーIだって、あのころ50万とか60万だったじゃないですか。今もう100万近いですもんね。

藤原:100万円くらいのときって、KOMEHYOのお客様って、がんばって時計を購入していた人なんですよ。部長になったとか。

菅原:昇進祝いに、いいかな、そろそろ買っても、みたいなやつですよね。

藤原:なんですけど、これになると、もう買えないですよ。

菅原:こうなると一生もんですよね。お祝いで買うもんじゃないですよね。

富裕層をどうビジネスに取り込むか

藤原:そうすると、ここ買っている人って誰かというと、200万、普通に買える人なんですよ。だから、いままでは一部上場企業の部長さんくらいをターゲットにしていたんですけど。ではなくて本当の富裕層にスライドしてきています。

菅原:そうでしょうね。欲しければ買う。

藤原:欲しければ買う人にスライド、ラグジュアリーが寄っているので。

菅原:ほんとそうですよ。逆に助長するかのように、どんどん値段が上がってますよね。
この前GOの三浦さんも言ってましたけど、三浦さんってルイ・ヴィトン大好きで。会社のメンバーの名刺入れも全部ルイ・ヴィトンにしているくらいのレベルなんですけど。たぶん担当の店員さんがいて、「三浦さまに似合うと思うコートが入ったんです」って言われて、見に行ったら100万円だったらしいんですよ。100万円じゃ、買わないよって言ってて。びっくりしたって言ってました。コート100万円とか、買えないですよね。

藤原:さっき言っていた話で、ここで買っていた人たちをターゲットにしていたときって、僕たちもお店にずらーっと並べて「ここから買ってください」だったんです。ここで買っている人たちって、そもそもがお店の平場で買わない人たちなんですね。反対に外商のような家にお店の人が来る人たちですね。極端な話をすると外商を利用する人たちに、ターゲットがずれてしまったので。
さっき言ったみたいに、この方たちが何やっているかというのを知らないといいけない。
でもアプローチが2つあって。ひとつは富裕層の方たちに、何回も買ってもらうというのと、今まで支えて頂いているお客様のリストはありますので、僕たちが平場で買える魅力的な商品を揃える必要があるというわけです。

菅原:逆に言うとそうですよね。

藤原:だからその2種類をやらなければいけない。

菅原:言い方を変ええるとコメ兵的には、ターゲットが増えた可能性がありますよね。

藤原:確かにそうですね。
ただ、ここって、取り合いなんですよね。少なすぎる。日本は富裕層が像会している率は世界一なのですが絶対数が少ないですよね。

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菅原:むしろプレミアムなものを売ったほうがいいですよね。高利益、付加価値の高い。

藤原:ここに比べて分母が全然いないので。これはもっと下かもしれないですね。下のラインが。でもこの人たちは、本当にいないんですよね。
注:コメ兵さん資料を見て話しています

菅原:1パーいないですよね。0.1パーとかじゃないですか?その代わりこの人たちは10倍買いますけどね。

藤原:そうしたときに、ここ小売業で何かしますか?という世界じゃないので。

菅原:逆に言うと、戦略的にどうリストを作るかを計画しないといけないですよね。広告のターゲッティングでできるようなものじゃないですよね。しかもリーチが狭いから。フェイスブックのアルゴリズムで最適化もされないし。
なんだろうな。フォーブスに載せたからいいとかでもなさそうですしね。

藤原:だからこの方たちにどうするかというのがあって。それで社内で話しているのって、こういうふうなことですね。

菅原:おもしろいな。でもやっぱりそういうのって考えているんだ。

藤原:そりゃそうですよ。

未来を見通すには

菅原:その感覚は、社会的な変化を、ツイッターなり新聞なりで得て、「やろう」と言っているのか、それとも現場の課題として「やっぱりなんか売れないんですよねー平場じゃ」。みたいになってきているのかのセンサーとしては、どっちが早いんですか?

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藤原:僕、12月に名古屋で、とある会社に勉強会をやってくれと言われたときに、何をテーマにしようかなと思ったときに。「ちょっと先の未来を見通す方法」てテーマで話そうかな。と思ってまして、未来を見通す力って、マーケテイングに関わる人には必須なんですよね。
未来を見通すと言っても、10年後の未来はわからないですよ。実務をやっているから。3年か5年くらいだったら、たぶんこうなるだろうってあるじゃないですか。
それって社会構造の大きな変化が一番重要だと思うので。さっきの人口減だとか、テクノロジーがどうだとか、政治がどうだとか、なんとなく頭のなかでずっと入れておくと。たぶんこういうことがあると、こういうことが起きるんじゃないかって、頭のなかで常にシミュレーションしているんですよ。

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