表紙

第何弾まであるかわからないコメ兵藤原さんとの対談の第一弾:「藤原さんこれからの日本は何が起こるの?」

菅原:今回のテーマは「藤原さんこれからの日本は何が起こるの?」です。人口減少が徐々に影響が出てきたと思われる日本で、今後どんな影響が出てくるのかを想定し対応していくために、コメ兵の執行役員 マーケティング統括部部長、藤原義昭(フジハラ ヨシアキ)さんにお話を伺います。僕の中で藤原さんは事業や俯瞰した部分でとても詳しい人の印象があります。だから、メッセで何でも聞いちゃう人なんです。今日は色々聞いていきたいと思ってますので、よろしくお願いします。

僕やっぱり大きいテーマからいきたいなと思って、ムーンショットのnoteってマーケターと経営者向けなんです。すごい大きいところからいきますが、人口減少はもう言われてるし、本当のことだし、明日解決しないじゃないですか。だから、日本に人口減少が起きるとどんなことが起きますかね。

最初

CRMと顧客の多様性対応の重要性

藤原:結局これからは一人に何回も買ってもらわなきゃいけないって単純なことだと思うんです、結構。だから、いままで、100人の人に買ってもらえていたんだけど、50人になっちゃうから、そうすると2回買ってもらなきゃいけないだけじゃないですか。簡単な話。だから、それを達成するには、より関係性深くしなきゃいけないだろうね、企業は。っていう文脈だと思います。

菅原:だからCRM(Customer Relationship Management)みたいなのがとても重要になってきますよね、これから。

藤原:海外で人口ボーナスがあるようなところって、そんな話は出てこないですよね。

菅原:CRMなんかいらないですもんね。

藤原:もうとにかく、商品をワーって出していくだけだから。

菅原:昔の日本ですよね。

藤原:とても難しくなったのは面倒くさくなると思うんです。事業主側としては。昔は製品だけ考えていたんですけど、これからはその外郭も全部考えなきゃいけなくなってきちゃってるから、サービスの設計とか。

菅原:人口増えてったら、作っておけば売れたわけですもんね。今年売れなくても腐らなきゃ来年売れたわけですもんね。余程のことがなければね。

藤原:大変になったのはスマホの登場で価値観がとても増えてるから、その価値観にフィットさせていこうとすると、1個の商品で100人に売れないから100人に売るには10種類の製品作らないといけないわけじゃないですか。

菅原:SKU(Stock Keeping Unit)がとても増えた問題がありますよね。

藤原:昔みたいに牛丼作って、1つの。牛丼でさえ今いっぱいメニューあるわけなので、それって価値観の多様化じゃないですか。

菅原:ライザップ牛丼みたいなのが出てきているし、別に悪い意味じゃなくて。人によってですよね。ガッツリとカロリーとりたい人もいればカロリーを抑えたい人まで出てきていて、牛丼も。例えば、ここ10年で人口7%減るんですよね。だからこの減る分を今いる人にさらに食べてもらわなきゃいけないですもんね。

藤原:その二つだろうと。

菅原:CRM?

藤原:そうですね。CRMと。あとは価値観の多様性にすごい寄っていかなきゃいけないので、より人の心を掴むことが重要になるんですよね。マーケティングやってる中では、そんなの昔から一緒だよとは言うものの、いやいや同じものいっぱい売ってましたよね?と。

菅原

菅原:売れてたけど。でも商品はいっぱい必要になってくるし。でも逆にこれからのブランドはそういうみんなにいい顔しなくてもいいとも言えますよね。大きくなっちゃった会社が逆にしんどくて、自分を維持するのにとてもコストがかかるようになりました。そうではなく、これから出てくるブランドは何か見つけてさえもらえれば、「私はこれが欲しかったの」ってお客さんが熱狂するものだけを作れば売れるような時代にもなりましたもんね。

マーケットの先読み力

ちなみに、会社でとかそういう危機感って話したりするんですか。人口減少に関して。

藤原:もちろんしますよ、それは。

菅原:早いですね。

藤原:マーケットは先のほうを読む、読むっておかしいんですけど。構造問題って変えれないんで、僕たちでは。

菅原:人口減るのは、よし俺たちで増やそう、これ無理ですもんね。

藤原:絶対無理なので。そうすると国内と海外っていうオプションが出てくるじゃないですか。海外もやらなきゃいけない。しかし国内どうしましょうという話になったときには色々な問題も出てきますよね。人口減だけじゃなくて、お店をどうするんだ問題みたいなのも最近言われているし。

菅原:お店はどうなるんですか。

藤原:僕たちってラグジュアリーの商品を売っているので、どうしてもお店を出す場所っていうのは、人が集まる良い場所に出さないといけないわけですよ。

菅原:出店計画的なやつですよね。

藤原:そうすると人口が減るのだけれども良い場所って多分これから値上がりしてしまうと思っています。
菅原:取り合いですよね、絶対ね。

藤原:取り合いですし、家賃が高くなりますね。もう一つあるのは人件費の高騰ですね。

菅原:人件費絶対上がりますよね。

藤原:実際上がってるじゃないですか。最低賃金もどんどん上がってるし。別にそれは社会的には良いことだろうけど企業としてはコストなわけで。

菅原:取り合いには絶対になりますよね。優秀な人、優秀な労働力、もしくは平均的な労働力の確保すら人が減るってことは、多分取り合いになりますよね。

機能的満足と感情的満足

藤原:それにコストが高くなるのだけどもそれどうします?商品の値段上げますというのはなかなか難しいじゃないですか。そうするとさっき言ったのと同じで、一人に何回買っていただくかって話に、戻るわけですよ。そうするとさらに顧客と関係性をどうやってつくるかっていうところはとても重要で。会社で僕が言ってるのは、満足は二つありますと。それは機能的満足と感情的満足の二つです。機能的満足ってどういうことかと言うと、安いとか早いとか。だけど感情的満足は気持ちいいとかなんか好きとかと言ったものです。機能的満足って100円安かったらあっち行っちゃうっていうことが簡単におきてしまう。そこは値下げ合戦のような無駄な戦いが起きるわけです。機能的満足をいつまでも追求し続けると疲弊してしまうのですよね。でもそれが企業のコアである場合も多く当社も同じです。当社の場合はその機能的満足は三つあって。一つはお得に買える。安いってことです。もちろん新品に比べてもありますけど、中古なので。

画像3

菅原:中古同士で比べてじゃないですよね、別に。

藤原:新品に比べて、「あ、安い」と思うことです。

菅原:お値打ち価格感はちゃんと出すってことですよね。

藤原:安かろうは悪かろうじゃ駄目だから、品質に関しては相当磨いて出すだけわけですよ。メンテしたりとか、それこそ偽物出さないということは必死にやっています。それが二つ目。3つ目は規模が大きいのでたくさんの中から選べるという商品量の多さです。

菅原:新品よりありますもんね、SKUはね。下手すれば。

藤原:これが僕たちのコアなのです。これらは全て機能的な価値なんですよ。ただし、これをなくしては駄目で、維持しなきゃいけない。

菅原:これを止めてではうまくいかないですよね。それをベースラインにどうやっていくかですよね。

藤原:これを維持しながらもう1個、お客様の感情的満足をどうやって得ていくかっていうのを一生懸命磨いていく。それは接客だったり、人の話だったり、店の作りとかだったりすると思うんです。最近お店で良い香りを出しているお店もありますよね。

菅原:ちょっといい匂いする。

藤原:ああいうのってすごい重要だと思うんですね。

菅原:何か語られないけれども居心地の良さみたいなものが出てきますもんね。

藤原:そこをどうやって磨いていくかってすごい重要なんだろうなって思うんですね。これってここ数十年間って安くとかたくさんとかってみんなやってたんです。それより前にさかのぼると心地いいとか信頼感とかの商売じゃないですか。実はもっと江戸時代とかに戻ってくと、そっちの本当は商売なんですけど。だから一周回ってプラスされたみたいな感じになるんじゃないか。

100年続く企業に学ぶ

菅原:その人口ボーナス期間が長かったせいで、それをやってた人間がいなくなっちゃったんですよね、今。みんなそっちしかやってない人、機能面でしかやってない人しか残ってないのがやっぱり問題っていうことですね。

藤原:100年企業とか300年企業って日本にもちょこちょこあるわけですよ。

菅原:虎屋さんとかね。

藤原:それを今も変わらずやってるわけですよ。

菅原:虎屋の赤坂のところ、めっちゃ居心地いいですよね。

藤原:僕が一番お手本にさせていただいているのは虎屋さんなんです。虎屋さん好きで。商品はもちろん美味しくて、接遇的な社員教育もしっかりしていて、お客さんの入ってくる空間もしっかりやってるじゃないですか。今言ってるのはこれは、CXの話ですよね。

菅原:まさに「もの」だけじゃなくてね。

藤原:大昔昔からやってるんです。だけどそれが概念的に今こうやって語られ始めて、CXとかUXは大切だとかという話になってきている。

菅原:やっとその言葉になったから。昔で言ったらおもてなしで良かったかもしれないですよね、言葉的には。でもやっぱりお客様をちゃんと選んでたからこそ、変なお客さんがいないっていうか。

藤原:それあります。

菅原:僕それすごい大事だと思うんですよね。どんなに着飾っても結局変なお客さんのいるお店に行くと、すごい嫌じゃないですか。テンション下がるし。なんだ結局このお店ってそういう店なんだみたいになっちゃうじゃないですか。だけどあんまりそういう感じしないんですよね。ちゃんとお上品な人が来て、お店にリスペクトを持ってる人が来て、買ってやるというか、買わせてもらうみたいな感じになってて、居心地よくて、ギャーギャー騒ぐ人もいなくて。コミュニティーと言うとちょっと違うけど、一種の居心地良い空間みたいなものがちゃんとお客さん含めて設計されてますよね。

藤原:それはすごいあって、お客様選ぶべきだと思うんですよね。お客様選ぶって差別しちゃいけないんですよ、区別はしなきゃいけない。全てのお客様に提供できないし、僕たちもお店が今40店舗ぐらいしかないのに、1億2千万人に提供できないので。
なので、うちの価値観にちゃんと共感してくれてどういうことをやってくれるかっていう人にちゃんと話さなきゃいけないと思うんですね。この前射場(いば)さんと話したときに。

藤原さん2

菅原:射場瞬さん。射場さんめっちゃ面白くないですか。

藤原:面白い。教えてもらったんですよ。彼女ウォルマートの大ファンで。ウォルマートの話を教えてもらって、なるほどって思ったのは。ウォルマートって。そういう自分たちが付き合ってきた層は一般の人だって、ちゃんと設定していて、それに対してファイナンスをどうしますかとかクーポンどうやってやったら一番心地いいのかとか、しっかりやっているんで、反対に超お金持ちを別に相手にしてるわけじゃないじゃないと。

このあと、ウォルマートと虎屋に学ぶお客様の選び方と、人が集まるお店の作り方についてお話しています。

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