企業やあなたが”一番”になる方法

前回は「あなたは企業の10倍成長を叶える North Star Metric を知っていますか?」で10倍成長にとても重要なNorth Star Metricという、“指標を一つにまとめる重要性”についてお話しました。

今回は企業が一番になる方法をお教えします。企業だけでなく、これはあなたや社員のみなさん一人一人が一番になる方法にも当てはまります。

ところで、一番になる方法の前に、一番になる重要性は考えたことがありますか?

一番は利益率が高い

ユーザーの視点で考えればとてもわかりやすいと思いますがあなたが何かを買うときに欲しいものなら価格をさほど気にしないが、仕方なく買うものは値段を気にしてしまうでしょう。

ハサミは1万円の高級品よりも100均ショップに行ってでも安いものが欲しいかもしれません。

一方でスニーカーなどは自分なりのこだわりが強くあるため、自分の思う一番には数千円の価格差を吸収する力があります。

NIKEは「NIKE Air史上最もエアーの薄いVapor MAX」を発表したあとすぐ、「エアーの容量を最大にした Air MAX270」という真逆のプロダクトを同時に販売し、どちらも成功しています。

ハサミの例からわかる通り、人の意思決定において明確な価値を感じていないプロダクトに関しては、価格=安いが大きな決定要因となり、事業者は安さを追求しなければならなくなり、結果的に利益率を下げることになります。

逆に、NIKEの例で言えば、価格を下げる必要はなく、むしろプロダクトにおいて競合と比較した場合の一番を作り出すことで、価格をコントロールすることが可能になります。価格というのは、プロダクトの「機能」や「ブランドを含めた価値」とイコールであり、その機能や価値で一番になれないと、必然的に価格を下げる以外の選択肢が取れなくなってしまいます。

一番はその市場をリードする

一番はそのカテゴリーの“指標を”決定する強さを持ちます。先程のナイキを例に取るとスポーツカテゴリー、そしてブランド力でTOPのナイキはマーケティングを使い、スポーツシューズの“選考基準”を自在にコントロールしています。先程のようにエアーが薄い方がいいと言ってもユーザーから受け入れられますし、エアーは厚い方が良いと言っても受け入れられます。驚きますがこのユーザーへのコミュニケーションは同時期に行われています。

一番は2つある

実は一番には2つの種類があります?
「唯一」と「最高」です。
「最高」とはそのカテゴリーの選考基準でTOPの水準を出し、ユーザーの支持が得られるものです。一方で「唯一」はユーザーが叶えたいものがそのプロダクトやサービスしか無い状態です。
プレミアム市場であっても競合が存在している自動車マーケットではメルセデスやBMW、レクサスはパフォーマンスによって評価されます。それとは違いラグジュアリーブランドは比較級ではなく自分にとって一番なものをユーザーが自ら選ぶため、どのブランドも「唯一」になります。ラグジュアリー市場のバッグや財布には最適な値段は存在せず、ユーザーが認めたならば買い物は成立します。
「唯一」ではUberも同様です。「配車機能がついたタクシー」と捉えては競合が多い状況と言えるかもしれませんが、実際はアプリで外に出ずに呼べて、待ち時間が極めて短く、ドライバーの接客がよく、場所も事前に伝えられて、料金とルートがあらかじめわかる、このようなサービスはすでにタクシーとは比較されません。(日本でUberというとこういう印象が無いでしょうが世界ではこうです)
むしろUberが「唯一」となって新しい移動のカテゴリー自体を創出し、Lyftがそれに加わっています。

一番になる方法

お待たせしました。一番になる方法です。
既存マーケットで勝つために「最高」を目指す企業もあれば、スタートアップのように社会に新たな価値を証明したくて「唯一」を目指す企業もあるでしょう。
あなたは「最高」と「唯一」のどちらで一番になりたいですか?
一番になる方法はこのノートの無料の部分にも多くヒントがありました。何度か読み返してみてそこから導き出してみても良いと思います。

ここ以降の有料部分では

・多くの企業が陥いる2つの過ち
・一番会議
について話します。

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