見出し画像

なぜ、ぼくの仕事は「時給30万円」なのか?

ぼくの仕事は経営アドバイザーです。

時給は30万円

週に一回1時間、経営者にアドバイスをして30万円。

多くの人は、これを「高い」と思うかもしれません。「なんでそんな高単価をつけられるんだろう……」と疑問に思う人もいるでしょう。

でも、この値段にしているのにはれっきとした理由があります。

このnoteでは「値付け」の話をとっかかりに、「価値とはなにか?」そして「いい仕事とはなにか?」について考えていきたいと思います。

少し長めですが、お付き合いください。


安く提供することは「いいこと」なのか

フリーランスや副業をやっている人で「値付け」に悩んでいる人は多くいます。

自分の商品、サービスにいくらの値段を付ければよいのか……?

そこでよく「安くしたほうがいい」と思っている人がいます。

そもそも「安くしないと売れない」と思ってる。だから「いかに安く提供できるか」に注力する。いわば「安くするための努力」をしてしまうのです。

でも、安くするのには限界があります。

結局、コストを減らすために工数をかけられなくなるので、価値を下げていくしかない。利益も減ってしまうので、働く時間は逆に増えていきます。時間あたりに生み出せる価値はどんどん減っていくわけです。

ぼくはそういった「安くできる」仕事は機械やコンピュータに任せればよくて、本来は人間のすべき仕事ではないと思っています。

人間がすべきことは「時間をかけて質の高いものを生み出し、それを唯一の状態に仕上げて相手に提供する」ことです。

それが人間にできる仕事の価値だと考えます。

「値段を下げる」ということは「価値を下げる」ことにつながります。これは、あまり好ましくないことだとぼくは思っています。

あなたのお客さんは世界のどこかにいる

安く提供することがいいことだ、というのは思い込みです。

20年前であればそうせざるをえなかったのかもしれません。それはインターネットがなかったからです。インターネットがないから、遠くのお客さんには見つけてもらえません。

たとえばカフェにしても、昔はお店がある「ローカル圏内」の人に来てもらわなければやっていけませんでした。だから、高い値段には設定できなかった。そういう時代では安くしてお客さんを呼び込む必要があったのです。

でもインターネットがあれば、世界中から見つけてもらえます。

たとえば、ぼくのムーンショットという会社は「年間10社」としか仕事をしません。世界中でたった10社です。だから安くする必要はないのです。世界中を探せば、ぼくが提供するものを欲しがってくださる会社は見つかるはずです。

インターネットがない時代はローカルしかなかった。限られたパイの中で気に入ってもらうためには、多少無理をする必要があった。安くしたり、得意分野以外のこともしなければいけなかったでしょう。

小籠包がおいしい中華料理屋さんであっても、近くのお客さんに毎日来てもらうには酢豚も作らなければならなかったのです。

でも今は、小籠包さえうまければグーグルマップのレビューが高くなって、遠くからもお客さんが来るはずです。東京中、日本中、うまくいけば世界中からお客さんが来る。だから値段を高くしても、なにかひとつ光るものがあればお店は回るのです。

市場がローカルからグローバルに広がった。まず、この差は大きいと思います。

高単価のほうが「誠実」である

それでもやはり「30万は高すぎるんじゃないの?」「高単価の商売って、なんだかうさんくさい。怪しい」と思われるかもしれません。「1時間で何十万ってどういうこと?」と。

仕事を高単価にすることのメリットはいくつもあります。

まず、高単価のほうがお互い本気になれるということです。

1時間30万円となると、仕事を発注するほうも受注するほうも真剣にならざるをえません。

発注したほうは「30万円以上の価値を出してもらわないといけない」と考えるはずですし、受注するほうも「30万円いただいているのだから、それ以上の価値をかならず出そう」と思います。ぼくもかならずいただいている金額以上の価値を返します。

お互いが真剣勝負になるため、おのずと仕事もうまくいきます。

一方、低単価だとどうでしょうか?

たとえば「1時間1万円の仕事です」となったら、発注するほうもあまり本気になれません。「まあ、1万円だし、こんなもんか」となる。受注するほうも「いつもどおりこなせばいいや」となりがちです。もしかしたら「単価が安い仕事だから他の人に任せよう」と思うようになるかもしれません。

「価格を下げる努力」より「価値を上げる努力」を

ここから先は

6,711字

¥ 10,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?