CXOという仕事について
先日発表になりましたがアクティブソナー社のCXOになりました。
今日はCXOの仕事とは何か、についてお話したいと思います。
CXOとは
Chief eXperience Officerの略でカスタマーエクスペリエンス(顧客の体験)に責任を持つ仕事です。
なぜCXOが必要なのか
企業の活動のなかで「顧客接点」というのはとても重要です。小売店であれば店舗そのものもそうですし、Eメールも、電話も、ダイレクトメールも大切な接点です。オンラインのサービスも同様で店舗がウェブやアプリに置きかわります。
今後どんどんメディアが多様化し、ソーシャルメディアでのフィルターバブルなどがあるとなおさらにユーザーというのは一括りにできなくなります。一括りにできないということは提供者側の視点では情報が適切に提供できなくなるということです。もっと顧客に合わせなくてはなりません。そのため顧客の接点や顧客の体験に特化して責任を持つ人が必要になったのです。
マーケティングは提供側から見たチャネルのコントロールであるのに対してユーザー体験はユーザーから見たチャネルの体験価値の最大化を目指します。
企業===マーケティング==>ユーザー
企業<==ユーザー体験===ユーザー
と矢印すら真逆な印象です。
CXOが必要な業界
顧客の体験を満足にしなくて良い業界などあるでしょうか?全ての業界において顧客体験を最適化すれば、競合との提供価値の差別化や新たなビジネス機会が訪れると思います。
CXOの成功例
日本ではまだまだCXOというポジションは少ないと思います。成功した代表例はこちらではないでしょうか。
似た話でいうとインスタグラム創業者の二人(Kevin と Mike)の二人が日本に来た時に話を聞いたことがあります。彼らが最初に採用した1号社員は「コミュニティマネージャー」でした。インスタグラムはインターネットとカメラが繋がり、スマホで毎日持ち歩けるようになった画期的なサービスです。つまりユーザーはまだその使い方を理解していない。そしてインスタグラム社自身もどう使ってもらえば良いかが定義できていませんでした。なので世の中にどうこのサービスを定着させるかを考えるためにコミュニティマネージャーを置いたというのです。
noteの深津さんも同様にまだないサービスであったnoteをどうやってユーザーに定着していくかを丁寧にやられている印象です。そして成長をきちっとしていてすごいですね。
CXOは何をするのか
UX = User eXperienceはUI = User Interfaceと一緒になり UI/UXと語られがちでサイトの設計をするような印象が強いです。実際UIUXの仕事はデザイナーが担うことが多いです。
しかし顧客体験という言葉はそれほど狭い領域ではありません、noteやインスタグラムの例をとってもそうですが世の中にまだ定着していないサービスをユーザーに定着するための仕事こそCXOの仕事の本質だと考えています。
僕がこれから行うリクロというサービスもメルカリのようなフリマアプリと似ているけれども違います。ブランド品をユーザーが売り、僕たちが鑑定をし安心・安全を保証し、他の人の手に届けるサービスです。
・メルカリ=フリマアプリ=CtoC
・リクロ=リセールサービス=CtoBtoC
な訳ですが、まだそれは生活者の生活の中に無い新たな価値や体験のため定着できるように改善をしていかなければいけません。
CXOは建築家は似ている
建築家のランドスケープデザインとCXOの仕事は似ていると思います。まだ無いもの(サービスや建築物)を街の中に溶け込ませ人々の中に定着されるようにするという考え方はサービスにも適用できます。
ランドスケープは、景色や風景という意味であるが、建築およびデザインの分野では、都市における広場や公園などの公共空間のデザインをいう。セントラルパーク(ニューヨーク)を設計したオルムステッドが名付けた“ランドスケープ・アーキテクト"などと同様に、庭園の計画・設計分野で用いられた呼称である。近年、多くの都市再開発事業が行われ、様々なランドスケープ・デザインを身近に見ることができる。2006年2月にオープンした東京・渋谷区の表参道ヒルズは、周辺の景観との調和に配慮された低層建築である。屋上には庭園が設けられ、植栽が成長するとケヤキ並木の緑と一体化するという、まさに景観のデザインが実践されている。
(武正秀治 多摩美術大学教授 / 2007年)
理想は接点以外での体験も
顧客の体験というのは実は冒頭に書いた企業が提供するチャネルだけでは無いかもしれないと考えています。例えばリクロについて書かれている記事やリクロについて考えている時間、なども体験になります。こうしたユーザーの頭の中にリクロが存在している時間も大切な体験の時間です。
接点以外でも考えてもらえるきっかけや好きになってもらうきっかけをコンテンツを通じて感じてもらうこともできるかなと思っています。
体験とは感度をあげる仕事
ユーザーが1万人いたとしてその人たちが全く同じ趣味や知識量や感受性や身体能力だったとすると僕たちが提供するコンテンツやサイトのUIが同じでも同じように感じてもらえ、楽しんでもらえるのかもしれませんが実際はもちろん違います。
体験価値をあげるには全く異なるバックグラウンドを持った人たちの「感度」を上げることが重要になります。楽しみ方は人それぞれ、と放棄せずに、提供者側は恐れずユーザーの感度をあげるコミュニケーションをとる必要があります。
まとめ
User eXperienceやCXOの仕事についてざっと書いて見ましたがいかがでしたでしょうか?ぜひみなさんの思うCXO像やUXの話も聞かせてくださいね。ユーザー体験の向上は今後の企業の成長に直結すると確信していますのでどんどんCXOの仕事をする人が増えるといいなと思っています。
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