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【広告主が詐欺に合わないために】ついにアドフラウド対策に業界が動いた!


9/6に出したこの上の記事、業界向け記事にも関わらず6000アクセスありました。クロ現やこちらがきっかけになったかわかりませんが、ついに業界最大手のヤフーさんがアドフラウド対策に乗り出しました。

このヤフーさんの取り組みはNewsPicksでも166picksとめっちゃ業界特化した話題ながら反響は大きかったと思います。

しかし、気持ち的にはコメントで「これらが世界的な問題になったのは昨年春ごろからです」というのはいやいや、ちょっともう5年前くらいから話題ですよね、、という気持ちでいっぱいになりましたが、業界の人がついに動き出したのは本当に嬉しいです。

(少なくても2年前にはこうやって書いてますし、アドネットワークのドメイン偽装などは僕がアドネットワークの会社の役員やってた2011年くらいからあった話でもう5-7年くらいは話題だったはず、です。

ヤフーは何をやると言ってるの?

ヤフー株式会社(以下、Yahoo! JAPAN)は、不正に広告費をだまし取ろうとする手法「アドフラウド」対策を強化するため、明日9月21日に広告配信の一部(※1)を一時的に停止します。

ということですが、具体的には

このような問題の解決のために、Yahoo! JAPANとYahoo!ニュースなどですでに直接契約があり、安全性が確認できているサイトを除き、広告配信の一部を一時的に停止します。今後、一時停止したサイトについては、基準を厳格化した上で、あらためて安全性の確認を行い、順次配信を再開していく予定です。

をすると言っています。

つまり、「信頼できるか不明なサイトに出していた」状態から「信頼できるサイトにしか出さない」ということを指します。

A「信頼できるサイト」(ホワイトリストに入っている)
B「信頼できるか不明なサイト」
C「信頼できないサイト」(ブラックリストに入っている)

の三つがありますが、今まではブラックリスト方式だったと言えます。

「C以外に出します」というポリシーだったため、Aにも出しますが不明なBにも出てしまいます。その結果Bの中で一部Cに該当するサイトにも広告が出てしまうことになっていたわけです。見つければ当然ブラックリストに追加し、そのサイトはB=>Cへ降格されます。しかし、これでは実際にはCに格下げになったサイトは手段を変えて偽装しBへ戻ってくることができます。

一方今回の発表はホワイトリスト方式にします、ということです。ホワイトリスト形式というのはAに出しますというポリシーのため、安全性が保証されたサイトに広告を出すことになります。

それで全ての問題は解決されるの?

ヤフーのとった対策はとても業界に与える影響は大きく、意義のあることです。しかし、問題の全てが解決される訳ではありません。
*しかし踏み出した一歩と業界全体のリーダーとして他プレイヤーに与える影響という意味では十分に評価できると思います

ではアドフロードの問題は何かを改めて解説します。

(過去イベントレポートから抜粋)

Ad Fraudと書かれている場所が二箇所ありますね。サイトを制限することでできることというのは「悪いメディア」側のアドフロード対策になります。
この対策でヤフーの発表のように、不正に広告費を騙し取る集団への支払いの多くは防げます。
しかし、実際にはあらゆる理由で良いメディアにもbotのアクセスは起こり得ます。これはサイトの制限だけでは十分な対策ではないのです。

このボットのアクセスがあったかどうかを検知する仕組みはすでにあり、それを導入することで不正な課金を回避できます。今後は大量のサイトへの広告出稿を提供するSSPやアドネットワークやPMP(プライベートマーケットプレイス)ではこの仕組みの導入は必須になるでしょうし、なるように業界が働きかける必要があるのです。メディアの方も自分たちの価値が棄損される可能性のあるSSPやアドネットワークに参加しているかどうかをRPM(収益性)よりも気にする必要があります。

業界全体のリテラシー向上が必要

詐欺や広告主のリテラシーの低さが理由に起因して日本はまだまだ古いやり方が使われていて業界が良いアップデートが出来ていないと思います。その一部を以下に書きます。

1.バナー広告は意味があるのか?

(過去イベントレポートから抜粋)

このように、広告を取引する単位にimp(インプレッション)という広告を表示する単位にお金を支払っていましたが、これはユーザーがそのサイトのページにアクセスした際に課金がされていました。それはページの一番下にスクロールしないと見えない広告枠で、ユーザーが下にスクロールしなくても課金がされるということです。
これを是正するために生まれた指標がvimp(ビューアブルインプレッション)です。少なくてもページにアクセスしたタイミングではなく、画面に表示され、数秒立ってから課金をしましょう、ということです。
しかしバナー広告はこの図の左のように全くユーザーの目に触れません。そこには広告しか写ってないとユーザーが10年近くの経験から学んで誰もみない場所が存在するようになったのです。

2.動画の強制視聴は意味があるのか?

Screenshot by Nori Takahiro

いまだに広告主の多くは強制視聴の動画枠へ広告を出稿しています。あなたが1ユーザーとして動画を強制視聴されて問題を感じないでしょうか?
主にページの上に突如出てくる動画は各社で[x](閉じるボタン)が共通化されておらず、右上にあるもの、左下にあるもの、各社様々です。多くのユーザーはこのボタンを探し、押す頃には広告の課金は完了し、広告主へ請求が行きます。消せないもの(強制視聴)に至っては記事を見ている間に動画が視聴完了(されたこと)になっています。しかし視聴すら開始していないユーザーが視聴を完了したことになっている訳です。下手したらその動画、1秒も視線を合わせられていません。それにも関わらずエクセルの動画配信レポート上ではこういった強制視聴動画の配信結果が一番良く評価されてしまうのです。

マーケターや代理店にとって数年後アドフロード問題と同様に、「知らなかった」ではすまない事案になると思いませんか?あなたが「結果を出したいマーケター・代理店」なら今からでもこういったユーザーの為にならないフォーマットへ出稿することは控えて対策をすることをオススメします。

このように10月のアドテックの有料セッションでも議論が行われます。

これから業界が進むべき道は?

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