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第何弾まであるかわからないコメ兵藤原さんとの対談の第三弾:「藤原さん、卒業のないお店の作り方ってどうすればいいんですか?」

第一弾と第二弾はこちらをご覧ください。


藤原:ロイヤリティーの高いお客さまって、こういうことを考えているんだねっていうのがあって。

菅原:今お客さんに対して、もっとも気になることって、どんなことなんですか?時代の変化の話なのか。それとも卒業してもらわないようにするには、どうしたらいいのかとか。お客さんと話をしていて。いわゆるロイヤルカスタマーに求めることって。

藤原:それは社員の人間力ですね。完全にそう。ロイヤルのお客様って、人に付くんですよ。お客様はスタッフ指名してきます。でも、スタッフの中でもすごい売る人とか、たくさん買取ができる人って、突き詰めていくと、ものを知っているスタッフじゃなくて、お客さんのことをめちゃめちゃ考えている人なんですよね。だから結局人間力なんですよ。

菅原:プロダクトじゃなくて、テクノロジーでもなくて。やっぱりユーザーのことを見ている人ですもんね。

藤原:それはとても重要で。ただ、これを言い始めると、リアルだリアルだ、の話になるので。その人たちが、自分ひとりの力だけだと10人しか対応できないのだけど、テクノロジーで助けてあげて対応できるお客様が100人になればいいわけじゃないですか。

菅原:拡張できてね。

藤原:だから、(私達)裏側の人間としては、それをどうやってテクノロジーアシストしてあげるかというのを、一生懸命考えないといけないのです。
スタッフの脳みそのなかにある、このお客様が「何を買ったか」って覚えているかもしれないけれど、限界値はあるわけですよね。それをちゃんとデータベース化して、アシストしてあげるのがとても重要だと思うんですよ。
スタッフはお客様の話したことをちゃんとノートにメモしている人もたくさんいます。でもそれって、ノートが2冊目になるとなくなっちゃうわけだから。

菅原:あれはどこに行った?ってなりますもんね。

藤原:BtoBで使っているような営業支援のシステムが必要になるんですよ。

菅原:それ、本当に思います。

藤原:そこでSFAの仕組みを入れたんです。

菅原:それ、セールスフォースを入れたんですか?

藤原:入れてない。社内で作ったんです。セールスフォース高かったので(笑)。

菅原:BtoB版じゃないBtoC版をオリジナルで作ったんですか?

藤原:そうなんですよ。セールスフォースだと、人ベースで課金されていくから、スタッフが沢山いるのでいきなり入れるのはハードル高いなと思いまして。

菅原:そうですよね。構造がBtoC向けじゃないんですよね。

藤原:社内の人間に、お前ちょっと作れって言って。情シスの人間に作らせたやつをカスタマイズしていって、うちならではのものに進化していっています。

菅原:それでお客さんのお好みとか、何かを知るってことですよね。もしくは、どういう対応をしたらグッド、バッドあったかとかね。

藤原:あと、この人何を探しているかとか。すごく細かいじゃないですか。10年前のヴァンクリーフのこの製品とか言うと、ピンポイントなので。それを入れておけば、物流のほうにちゃんとデータとして飛んで。入荷したときに、それを紹介できるようにしてあるんです。

菅原:言葉にしちゃうとウイッシュリストだけど。本当にお客さまに対面で聞いて、ちゃんと書きとめておいて。入ってきたらまた販売員さん経由で、これがありましたよ、探しましたよっていう体験が作れるってことですよね。ウイッシュリストだとただメールが来て、入荷しました、だけど。

藤原:でもこれって、昔からみんなノートにメモしてやっているんです。それを、テクノロジーとまではいかないですけど、たぶん、デジタル化してあげただけです。

菅原:それでちょっと覚えやすくなったり、ちょっと早くなったり、ちょっと間違わなくなったりとか。そういうことですよね。

藤原:いい店員さんって、やっぱりマネジメントのほうになっていくので。それで店長さんになりましたとかってなると、すごい売る力があるのに、なかなかできないじゃないですか。

菅原:もったいないですよね。

藤原:ただ、その人たちには、後進を育ててほしいので。新入社員でこうやってやるぞっていうのって、やりきれないですもん。ひとりの店員さんが。だからそこを、デジタルのツールを使ってアシストしてあげるみたいな形を。

菅原:アカウンテリングの話、射場さんとしました?

藤原:してないです。

菅原:いい考え方があって。アカウンテリングって、いわゆるアカウント管理の方法があるんですけど。
いままでは、リアルな接客がそのままネットでも、みたいなことをやっていたじゃないですか。だからAIとかIoTみたいなのって、表に出るような技術のようなとらえられ方をしていたんですけど。
アカウンテリングって、販売員さんは変わらずにいて。今までのAIの話って販売員さんはなくなるみたいな表現が多かったんですけど。販売員さんはそのままいて。でもまさに覚えられないから、タブレットとか、もしくはお客さんのIDで、その人がLINEから何をタップしたかとか。まさに前の日に何をググってたかとか。サイトのなかの商品、何を探していたかとか。何色が好きか、みたいなのを、全部データとAIで解釈をしてあげて、それを販売員さん側のタブレットにぴょんと出してあげるんですよ。
それで○○さま、いらっしゃいませって言ったあとに、そういえば、最近スカーフをお探しだと思うんですけど、このお店にはこれがありますよって、アシスト側に回るっていう技術なんですよね。

藤原:それはすごくいいですね。

菅原:販売員さんは、ちょっと前まで、必要なくなる説あったんですけど、射場さんも僕も、なくならないほうだと思っていて。結局僕ら2人も今、ラグジュアリービジネスの仕事やっているんですけど。金持ちは、人からしか買わないですよ。

藤原:そうなんですよ。そうしたビジネスはたぶん人を介したほうが粗利率も高くなるし、高額品が売れるし、たくさん売れるんですよ。

菅原:だって100万円と200万円、変わらないですもん。えー?200万か、どうしよう…、じゃないですもん。欲しいか欲しくないかかと、そこにどんなストーリーがあるかとか、どんな希少性があるかとか、そういうもので、買う買わないを決めているから。あと5万円安かったら買うんだけどなーって、ないじゃないですか。

藤原:洗剤を1万個売るビジネスじゃないところは、そっちだと思っていて。洗剤を1万個売るビジネスって、たぶんテクノロジーにしたほうがいいと思うんですよ。

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